2025年11月24日

10月懇親会

 黄色や赤の華々しい外装のカレー屋を都内でいくつか見かける。カレー屋らしい。インド人やパキスタン人、ネパール人などはこの色が好きなのだろうか。日本人はカレーと言えばインドだと思うが(いや私だけか?)、あのあたりのひとは年中カレーを食べているらしい。5年ばかり前にブータンとの国境地帯、北インドの辺境に行ったのだが、毎日カレーだった。カレーは日本でいうと味噌醤油のようなものかと思った。噂によると日本のインド風カレー屋の経営者の多くはネパール人だという。懇親会を10月30日に行ったのだが、その場所は駒場東大駅前の駅近くの「ムスカン」というカレー屋で、ここもどうやらネパール人が働いているようである。と、どうでもいい前書きをながなが書いてしまったが、とにかくここで懇親会を行った。

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 この数年若い会員がたくさん入ってきて、懇親が望まれているかと感じて計画したのだが、出席者は予想より少なくて20人だった。会場のムスカンは駒場東大前駅に近くて値段が安い。3500円でカレーにナン、ほかに何品かついて飲み放題というのは今どき珍しいのではないか。もっとも日本酒、焼酎はないが。
 野崎会長の挨拶の後、例によって自己紹介を順番に行った。つい最近入ったという会員もいて、そういう人がいろいろ話してくださるのは面白かった。優秀な人がたくさんいるようであった。こういう方々がすぐ止めずに定着してくださったら、当協会ももっといろいろな事業を展開できるかもしれない。そのためにも会員同士がお互いを知ることが必要で、顔を見て話をするということは会の運営にとって大切なことだと改めて思った。
 気楽で活発、皆さんの多彩な能力の一端を知ることができた懇親会であった。来年1月の末頃には新年会を行うのでより多くの会員の参加を期待したい。
(藤田)
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2025年10月02日

東京民藝協会 4月例会の報告

4月19日(土)11時より日本民藝館にて「民藝 無作為の美 ー深澤直人が心を打たれたものたち」を見学。参加者:25名。

プロダクトデザイナーであり日本民藝館館長を務める深澤直人、氏と民藝に関する展示は日本民藝館「愛される民藝のかたち ー館長 深澤直人が選ぶ」(2015年)、21_21 DESIGN SIGHT「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」(2018年)に次いで3回目の展示だろうか。

民藝館の重い扉を開けると目に飛び込む階段脇の展示棚、一方は白いもの、もう一方には黒いものが並ぶ。2015年の展示でも同様の方法で陳列されたそう。非常に印象的である。
さて、今回の見学会は担当学芸員に代わって、深澤直人館長自ら解説いただく企画に恵まれた。以下はお話しされたことを私がメモしたもの。聞きもれや聞き違いもあるかもしれないが、ご容赦願いたい。

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・収蔵品の中から「やさしい形」だと感じたものを選んだ
・翌日放送予定のNHK「日曜美術館」では(こんな感じでと体を動かし)身振り手振りをつけて話した
・全ての美に自分=柳宗悦(以下柳と記す)の感覚、いわゆる「下手物」、完成していない
・佐藤阡朗先生との対談、徒弟制度について(雑誌「民藝」868〜869号に掲載)
・形に興味がある、常に形の評価をしている
・よい=状況との調和
・柳の思い:民藝館の中で見てほしい
・今回は直感で選んだ=やさしい形
・最近は「デザインは色や形のことだけでない」と言う人がいるが「デザインは色や形である」
・例えば漆のダレ、意図的でないことがいい
・矛盾は双方に正しい
・perfrct imperfection(完璧な不完全さ:不完全さの中に美しさを見出す考え方)
・芹沢_介は切れないナイフを使うことによって自分の手を他人の手に変えた
・展示したジーシガーミ(厨子甕:南西諸島独特の骨壺)は、何十点もある民藝館所蔵品のなかでも好きな2点を選んだ
・日本民藝館展はカゴの出展が多い
・なぜカゴに惹かれるのだろう
・朝鮮の柳のカゴについて、柳材:竹材と違う風合い
・ロエベのクラフト展での、革を用いて弁当箱(?)を作ってる韓国の作家とのやり取り
・カゴは素材の自然の弾力性を活かしている
・使うと(手脂によって)光沢が出る、その美しさ
・新品には新品のよさ
・触らない清浄の美、例えば神のみ触ることができるもの使いこんだ美
・(本展のチラシに採用した)白薩摩角鉢、よく見ると柔らかいライン、色もベージュ
・中国に多い高台がないもの
・作る過程でわかること、作り手のみがわかること
・中国の土瓶、ハンドルの向き、自分向け、変な形→愛嬌がある
・使い勝手
・ハンドルの大きさや位置、本体の割に小さい
・「大」のれん、意外と柔らかく繊細、ガツンとした印象を与えたく大展示室入口正面に設置、フォント
・船徳利、船の上でも安定する形状
・白薩摩角酒器、豆腐のよう
・行灯皿は(油がこぼれにくいよう)玉縁
・出雲大津焼(昭和50年代に廃絶)の手焙り(いわゆる「釣鐘火鉢」)、抱いて使うとものすごく暖かい、ここでも身振り
・秋田、阿仁合(あにあい、北秋田市)の岩七輪、四方の面取り→模様
・鈴木繁男旧蔵厨子、柳が気に入っていた
・民間仏、少ない工数で人間の形を現す
・手押文湯釜に関連して自身をコンクリートで型取りする彫刻家の話(名前失念)
・樺細工、使うこむことによるツヤ
・火消しの上着(鹿革の半纏)、色がいい
・(山梨県の伝統工芸)印伝の仕事をしたことある、用いるのは鹿の革のみ、白い漆は難しい
・アルチザン:フランス、マエストロ:イタリア=職人、元々は低い地位の使用人→価値が上がった
・エルメス:革製品:自分達で作り上げたもの、ルイ・ヴィトン(LVMH:モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン):コングロマリット:お金で集めたもの
・職人制度がなくなったために民藝館が重要な位置を占めることになる
・北窯の大嶺さん(大嶺實清氏)、作ってるものがすごい、すごくいい、展示会で思わず「これは買えるの」と聞いてしまった
・民芸と工芸の境目を探してもしょうがないけど、作るものの目的によるのかも知れない
・柳がデザインしたベンチ(松本民芸家具、現在も販売)

雑感:「かたち」を主眼に選定された展示物、全くと云う訳ではないが絵付けされたものが排除されたことにより、自ずと時代を経た素材そのものの美しさ、手で触れたくなるような素直さを感じた。
前回の特別展「仏教美学 柳宗悦が見届けたもの」と同様に作者や地域、時代の垣根を越えた企画。このようなキュレーションの力を感じる展示こそ、図録やデジタルミュージアムなどのアーカイブが必要なのではないだろうか。

(東京民藝協会 井上大輔)
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2025年09月25日

映画「炎はつなぐ」

 投稿がまったくないようなのでまたしても駄文を。-----例によって、映画の紹介ぐらいしかできないのだが。
 「炎はつなぐ」という映画が公開された。監督は大西暢夫。「炎」とは和ろうそくの炎のことで、この映画は、和ろうそくが作られる手順、手仕事のかずかずを追ったものである。
 ろうそくの原料はハゼの木の実である(漆の実も使われた)。これを高い木に登って採集、集まった実を蒸して圧搾、油をとる。実の殻が残るがそれは藍染の土間を温めるために使われる。低い温度で長持ちするので具合がいいのだそうだ。さらにその灰が焼き物の釉の原料となる。映画に映っているハゼの灰は、小鹿田に行くのだそうだ(映像はない)。
 ろうそくの芯は竹の串に和紙を巻き、その上から燈心草の髄をらせん状に巻いて、さらに真綿で全体を包む。その芯をハゼの油を溶かした液に浸すことを繰り返しだんだんと太くしていく。最後に上下を切って形を整える。和ろうそくの炎は揺らぐことが特徴とされているが、これは、芯が中空でそこを空気が上昇するからだという。----前後するが、和紙を巻く芯の竹串は後で抜くので、そこが中空になる。

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出典:「炎はつなぐ」特別サイト(https://honoowatsunagu.com

 この映画は、実の採集に始まって、油の採取、和紙、燈心草、真綿による芯づくり、成型まで、それぞれの過程を丹念に追ったものである。和ろうそくの制作と言えば、普通は。溶けた蝋の中に棒を突っ込んで、だんだんと太くしていく最終の成型の場面しか思い浮かばない。が、実は一本のろうそくができるまでには、多くの職種が関与し、かなりの労働が注がれている。それぞれの職種には膨大な技術の蓄積があり、その技術の継承には長年の修行が必要だ。何でもないような実の採集にしても、まずは採取に最適な時期を選ぶ目が必要だろうし、作業は高い木に上る危険なものである。この後の諸工程に至ってはそれ以上の熟練と労働集約が求められる。どれか一つが欠けても、和ろうそくはできない。しかも、上記の各職種には、さらにそれを支える固有の道具や資材があるわけで、それを作る人たちが存在するということになる。そう考えると、世にある様々なものを成り立たせている仕組みは想像をこえている。
 そんなことを教えてくれる映画であった。注文を付けるなら、前後に登場する監督の車とオートバイに乗る部分は不要だった。また、例えば藍のすくもつくり、墨の油煙つくり、金箔つくりのような-----それはそれとして興味をひくものではあるが、直接関係のないところにかなり時間をつかっており、それが余計だとも思った。どこまでも、和ろうそくの製造の源をたどることが、題名「炎はつなぐ」にふさわしかったのではないか。
(藤田)

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2025年09月16日

次回2025年9月の例会

東京民藝協会 9 月オンライン例会
「へんみ櫛店・逸見英隆さんの仕事」
日時 2025年9月20日(土)19:00〜
講師 逸見英隆氏(へんみ櫛店)
松本市に工房を構える「へんみ櫛店」の逸見英隆さんによる「お六櫛」の実演を拝見し、製作工程などについてのお話を伺います。
銀座たくみで開催予定の企画展「ひと挽き、ひと梳き。へんみ櫛店のしごと展―滝沢都の亜麻の櫛ケースと共に」(9月20日〜25日)の会場から中継いたします。
http://www.ginza-takumi.co.jp/event.files/henmi/henmi2025.html


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posted by 東京民藝協会 at 18:02| Comment(0) | 例会