2020年01月23日

『民藝』が2020年1月号よりリニューアルしました。

日本民藝協会『民藝』編集部の村上です。
『民藝』誌は月刊誌として発行を続けておりますが、昨年2019年8月号に800号の記念号を発行することとなりました。私は600号となる直前くらいから関わってきましたので、これまで200号以上の発行を見てきたことになります。過去の号を見返すとさまざまな思い出が蘇ります。

さて『民藝』の創刊号は、『たくみ』という名称で1952(昭和27)年10月にたくみ工芸店から発行されました。大きさは今と同じA5判、リーフレット形式の小冊子でした。その2年後に東京民藝協会に発行元が変わると、昨年まで長年発行されてきたものと同様の中綴じ製本になり、55年に現在の『民藝』とタイトルを変更。57年11月号から日本民藝協会発行となり現在に至ります。

そのような歴史があり、『民藝』はこれまで多くの関係者の尽力で、68年間月刊誌として発行を続けてまいりましたが、2020年1月号より誌面をリニューアルいたしました。

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長い間、カラー16ページ、モノクロ64ページの計80ページの構成で、内容は民藝協会の事業報告や日本民藝館の所蔵品の紹介などが主でした。私が携わる以前(もう20年以上も前でしょうか)から、この本誌内容の変更を望む声が会員の方々から多数寄せられていました。しかし実際には変更できずに時間だけが経過しておりました。
そうした流れのなかで、近年の会員数減少に伴う本誌購読者数の減少が組織の存続を危ぶむ事態ともなり、さらに2019年の消費税増税と本誌の誌面変更がいよいよ待ったなしという状況になりました。2017年には日本民藝協会の役員改選時に広報普及委員会が発足。編集方針の変更を伴う本誌リニューアルの動きが進むこととなります。
こうしてこれまで会員の方々から出された要望を精査し委員会等で検討を重ね、主に以下の点を踏まえた編集方針を定め、具体的にリニューアル号に反映しました(反映した内容を→以下に記載します)。

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1、組織体制を明確にし、組織の方針が反映されやすい誌面に。
→広報普及委員会の下部組織に編集委員会を置き、組織体制を明確にするとともに情報伝達を行いやすくした。

2、入会したばかりの人でもわかりやすい内容を加える。
→カラーページを32ページとし、前半に特集関連図版を配置し、特集内容を視覚情報から先に伝える方法をとった。また、これまで文章に関連する挿絵はモノクロであったが、カラーとすることで情報量を増やした。柳宗悦の文章もなるべくわかりやすいものを選び、難読字には適宜ルビをふることとした。また、わかりにくい用語には解説を付すようにした。そのほか連載記事を増やし、民藝に対する興味の多様性にも対応できる内容とする。

3、現代の手仕事の紹介にも注力すること。
→日本民藝館展出品者や民藝協会会員の作り手を取材し、ものづくりの様子を多く掲載するように努める。

4、地域民藝協会の事務的情報を最小限にし、地域民藝協会発信の読み物を多くすること。
→地域民藝協会から協力委員を集め、多くの地域情報を集めるように努める(今後随時進める予定)。なお、会員への事務的情報などは、『民藝』以外の方法で各会員へ周知できるような体制を整えることとする(メール発信等)。

5、書店販売にも対応できるようにする。
→背表紙をつけることで、書店で平置きをせず本棚に縦置きしても内容が確認できるようにした。

以上のような変更を加えリニューアル号を発行しました。ちなみに、製作費を以前より上げないようにするため、ページ数は若干減らしましたが、これまでの号と見劣りしないように努めたことも付け加えておきます。 これまでの本誌を楽しみにお読みいただいた方には、以上のような状況であることをご理解いただき、引き続きご購読いただけましたら幸いです。

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2020年1月号の特集は「世界の人形」です。日本民藝協会が世界へ目を向けた発信をしていこうという意気込みも含んでいる、というのは私の個人的な意見ですが、会員のみなさまの協力のもと、より多くの方々にお読みいただけるような誌面づくりを目指して、発行していきたいと思います。今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。

定価870円(税込) 年間定期購読は10,920円(税込、送料込)です。
みなさまのご購読をお待ちしております。
http://www.nihon-mingeikyoukai.jp/info/mag2001/
(日本民藝協会・村上)

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2020年01月07日

スリップウェア作家 ボウエンさんに会うの巻 〜2019.11.18 例会より〜

 「スリップウェア」と聞いて連想するものは日本民藝館のあの品。体の横幅分もある長方形の形をした黄土色の大皿である。黒色の波目模様がゆらゆらと流れている。パイを焼くための皿。「魔女の宅急便」(スタジオジブリ、1989)で出てきたようなパイが出てくるのかしらと想像しているあの品。
 辞書で言葉の意味を調べてみる。

  スリップウェア(slipware)
  「装飾陶器の一種。化粧がけ陶器ともいう。陶器の素地に泥漿釉(スリップ)をかけ、いろいろな装飾文様を施した陶器。その最古の作例は古くローマ時代にまでさかのぼるが17世紀以来ドイツやイギリスにおいて盛んに作られた。また東欧や中央アジアの民芸陶器にも多い」 ブリタニカ国際百科事典(2011)

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 まだまだ知らぬ世界を知るために、ギャラリー・セントアイヴスの11月例会に勇んで出掛けて行った。お題は英国のスリップウェアの作家である「クライヴ・ボウエン氏の実演とお話」。イギリスの土は色にほとほと徹するようだ。黒・黄土色・黄・緑・赤があり、同じ色に別の色の存在は微塵も感じさせない。色に徹するからこそ色の対比が美しく出るのだろう。ちょうど会場では「柴田雅章 クライヴ・ボウエン 二人展」を行っており、日英の陶器の比較ができて興味深い。    
 例会で印象に残ったのはボウエンさんの実演。タイルに次々に絵付けをしていくのだが、その手捌きといったら!絵付けというと筆でさらさらと描くものと思っていたがそうでもない。何でもあり?の世界のようで櫛(コーム)、果てはお好み焼きのマヨネーズが入っていた3つ口?チューブも絵付けに使う。「さっ、さっ、さっ」という言葉が適当なようにカニ・魚・波目模様等を実に楽しげにそれに手早く描いてくれる。速さの秘訣は描き慣れているということもあるのだろう。加えて模様の一つ一つにボウエンさんのみならず、ボウエンさんの中にある作り手達の魂が混じり合っているからのようにも感じる。実に迷いがない。模様は産み出されるのを楽しみに待ち、簡素にのびのび産まれてきた。楽しげな様子は見る者にも伝播するようで、ボウエンさんの大きなあの手から一体次は何が産み出されるのかワクワクしながら見守った。

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 唐突に思う。これが「作る喜び」かと。日本民藝館の丹波焼の記念講演会で流れた柴田雅章さんの作陶の映像も重なる。今までやや厳しい面持ちで作陶していたのだが、窯から焼き上がった品々を一つ一つ手に取っては「良し」「良し」と言い、晴れ晴れとした笑顔で手に取るその姿。聴衆皆からも笑顔がこぼれた。
 普段の生活を省みるに、自分の手からモノが産まれ落ちる際、喜びを持って見守っていただろうか?と。毎日の掃除をする際に義務感だけで行っていなかったか?扱った掃除用具、きれいになった床・何よりもそのものの空間をきちんと見つめていただろうか?何の感慨もなく、こなしていたのだとしたら人間ではなく、機械のような心だったのだろう。

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 作られたモノには喜びが添えられている。出来上がったモノを見ている生活だけでは気付かなかった視点だ。単純でありながら厳然とした事実にしばし愕然としたのであった。
<了> 会員 鈴木 華子記ス

posted by 東京民藝協会 at 20:40| Comment(0) | 例会

2019年11月30日

東京民藝協会12月例会 *日本民藝館展 見学

○東京民藝協会2019年12月例会
日本民藝館展 見学

日 時 2019年12月21日(土) 11:00〜
場 所 日本民藝館 入口あたりに集合
参加費 500円 (会員以外も500円)
定 員 25人位(会員優先/先着順)
参加申込 下記のメールに12月20日(金)まで
tokyomingeikyokai@gmail.com

例年のように日本民藝館展が12月14日(土)から25日(水)まで開催されます。
見学会を行いますのでご参加下さい。日本民藝協会の村上氏の解説付きです。
*当日は西館の公開日です
posted by 東京民藝協会 at 19:58| Comment(0) | 日記

2019年11月28日

第2回懇親会

遅ればせながらのご報告になりますが、10月29日に東京民藝協会の新会員&若手会員を対象にした第2回懇親会を行いました。
前回来られなかった方や、新たに入会された方を含む14名が参加されました。場所は前回同様、べにや民芸店。
新会員の方による自己紹介のあと、東京民藝協会会員の数少ない作り手の一人の宮入圭太さんに、無理言って作品(型染)をご用意いただいたので、みんなで拝見しました。
次回は、東京民藝協会の今後を話し合う予定です。
(奥村)


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posted by 東京民藝協会 at 18:51| Comment(0) | 例会