2017年08月17日

小鹿田焼の豪雨被害と支援金募集

小鹿田焼協同組合から以下の要請文が公表されました。
東京民藝協会でも募金に協力することとし、近いうちに会員の皆さまにお願いの文書を差し上げますのでよろしくお願いします。
また、同趣旨の文章が『民藝』9月号に載るそうなので併せてお読み下さい。
(担当:藤田)

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◎九州北部豪雨にともなう「小鹿田焼復興事業支援金」募集のお願い

1.支援金募集の趣旨
平成29年7月5日に発生した北部九州豪雨により、国指定重要無形文化財「小鹿田焼」は、その原材料となる土を粉砕する唐臼(からうす)の損壊、水路の破損、登り窯の周辺部や原土を採取する山の崩落など、大きな被害を受けました。小鹿田焼は、宝永2年(1705)の開窯以来、明治時代末期まで甕・鉢・壺などの農家の日常雑器を製造し、昭和6年には民芸運動の指導者柳宗悦の来山により、その伝統的な技法と質朴・雄勁な作調が賞揚され、昭和45年には国の記録作成等の措置を講ずべき無形文化財に選択されました。
以降、今日まで主な原料の確保から、製造や加工、伝統的用具による製品製作に至る製作工程には、伝統的かつ地域的な技法が純粋に継承されています。
私たちは小鹿田焼協同組合では、本格的修理事業に向けて現在準備を進めていますが、窯元は家族単位で構成され、男子一人が窯を伝承する習慣が今なお続いており、それぞれの力だけでは完全な復興までには相当な時間を有すると危惧しております。
つきましては、今回の水害に伴う復旧事業に留まらず、これからも小鹿田焼を守り、将来へ伝えていくために、皆様のご支援を募るため「小鹿田焼復興事業支援金」を下記のとおり開設致します。皆様の温かいご支援・ご指導を宜しくお願い申し上げます。

2.支援金の使途について
以下の事項に係る費用として使用します。
1. 唐臼の修理に係る事業
2. 唐臼を稼働するための水路の修復事業
3. 登り窯とその関連施設の修復事業
4. 原土を採取する山の修復及び保全事業
5. 新たな原土山の採取整備事業
◎ より詳しいことは、下記のホームページをご覧下さい。
小鹿田焼復興事業支援金サポートサイト http://ontayaki.support

◎展覧会:バーナード・リーチと小鹿田焼展
九州北部豪雨災害からの復興を祈念し、日田市内において下記の通り展覧会を開催いたします。天領日田資料館においては日本民藝館所蔵のバーナード・リーチ作品を展覧し、また、豆田まちづくり歴史交流館では、過去から現在に至る小鹿田焼とその製法・歴史に関する資料を中心にご紹介いたします。
・期間:平成29年9月26日-10月18日
・会場:天領日田資料館・豆田まちづくり歴史交流館

 天領日田資料館:大分県日田市豆田町11-7 電話:0973-24-6517
 豆田まちづくり歴史交流館:大分県日田市豆田町9 電話:0973-23-8922    
・記念フォーラム
1. 講演「一汁一菜でよいという提案」
講師:土井善晴氏(料理家)
2. パネルディスカッション 「あたりまえの大切さ」 
コディネーター:杉山享司氏(日本民藝館学芸部長) 
パネリスト: 土井善晴氏・石井頼子氏・濱田琢司氏・鷺珠江氏
日時:2017年9月26日(水) 18:00-20:45
会場:パトリア日田・大ホール 日田市三本松1丁目8-11 電話:0973-
   25-5000
posted by 東京民藝協会 at 13:53| Comment(0) | 日記

2017年08月13日

川瀬巴水展、玉川高島屋で

講演会の講師、鈴木昇氏は当協会会員で、かねてから川瀬巴水の紹介に努めてこられました。

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posted by 東京民藝協会 at 18:14| Comment(0) | お知らせ

2017年08月02日

手元の郷土玩具(17) 神戸人形

 神戸には、明治の頃からちょっと不思議なからくりのおもちゃがある。

 「神戸人形」といって、箱の横のつまみをひねると、上の人形がさまざまなしぐさをする。明治中頃に神戸・長田神社の参道で売られ始めたと言われ、やがて、神戸港を訪れた外国人旅行者の人気を得て、多くの人形たちが海を渡っていった。
 すいかを食べたり酒を飲んだり、あるいは目が飛び出したり首が伸びたりするお化けの人形など、種類は多い。箱の中に糸が貼られ、つまみを動かすと糸を引いて手や首を動かす「糸からくり」で、かなり複雑な動きをするものもある。グロテスクとも言える奇妙な外観と巧妙な動きは、百年前の人たちも目を見張ったに違いない。

 神戸人形は、大正から昭和初期にかけて何人かの作者が盛んに作ったが、戦後は製作者が生まれては消え、を繰り返してきた。21世紀となってからは、姫路市にある日本玩具博物館が復活に力を注ぎ、今は新たな作者の吉田太郎氏が意欲的に、新作も含めた神戸人形を製作している。

 神戸港開港150周年にあたる今年、同館は神戸市中心部の「KIITO」という施設で日本と世界の玩具の展示会を開催しており、神戸人形も初期から現代までの作品がたくさん並べられている。時代と国境を越えて、世界中の玩具の個性と類似性に触れることのできる大変充実した展示会であり、神戸にお出かけの際にはぜひ立ち寄っていただければと思う。
https://www.facebook.com/toydollcollection.kobe/


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「すいか食い」

 私の手元には、新旧ふたつの神戸人形がある。
 古い「すいか食い」の方は、中学2年の頃だったか、明治生まれの伯父からもらったもの。戦前の作と聞いた。
 この伯父は「人間はね、生まれてから死ぬまでにする呼吸の回数が決まってるんだよ。だから僕は、若い頃からスポーツはしないで、呼吸を節約してるんだ」などと言っては悦に入っているような、愉快な人だった。確かに、そんな伯父が好きそうなおもちゃだなぁと、懐かしい思いがする。

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人形船乗り

 新たらしい方は、上記の展示会のために作られた新作で、神戸港にやって来た「船乗り」さん。パイプをくわえ、望遠鏡で遠くを見る。
 今年の春、神戸で入手したこの人形も、いつか懐かしい思い出を呼び起こすきっかけとなってくれるに違いない。
(千葉孝嗣)
posted by 東京民藝協会 at 00:44| Comment(0) | その他