2018年02月25日

小鹿田焼復興事業支援金募金について報告など

昨年7月のはじめ北九州を集中豪雨がおそい、小鹿田も大きな被害を受けました。そこで、支援金の呼びかけがあって、当協会でも協力することとしました。その結果、会員27人の方々から募金をいただきました。 

10月末に一応締め切り、11月28日に送金したことを報告します。 
会員からの募金が340,000円、当協会会計から110,000円を拠出して計450,000円です。

募金呼びかけの文書に重複しますが、募金の趣意書と現在の復興状況について以下に記します。

◎九州北部豪雨にともなう「小鹿田焼復興事業支援金」募集のお願い

1、支援金募集の趣旨
平成29年7月5日に発生した北部九州豪雨により、国指定重要無形文化財「小鹿田焼」は、その原材料となる土を粉砕する唐臼(からうす)の損壊、水路の破損、登り窯の周辺部や原土を採取する山の崩落など、大きな被害を受けました。小鹿田焼は、宝永2年(1705)の開窯以来、明治時代末期まで甕・鉢・壺などの農家の日常雑器を製造し、昭和6年には民芸運動の指導者柳宗悦の来山により、その伝統的な技法と質朴・雄勁な作調が賞揚され、昭和45年には国の記録作成等の措置を講ずべき無形文化財に選択されました。
以降、今日まで主な原料の確保から、製造や加工、伝統的用具による製品製作に至る製作工程には、伝統的かつ地域的な技法が純粋に継承されています。
私たちは小鹿田焼協同組合では、本格的修理事業に向けて現在準備を進めていますが、窯元は家族単位で構成され、男子一人が窯を伝承する習慣が今なお続いており、それぞれの力だけでは完全な復興までには相当な時間を有すると危惧しております。
つきましては、今回の水害に伴う復旧事業に留まらず、これからも小鹿田焼を守り、将来へ伝えていくために、皆様のご支援を募るため「小鹿田焼復興事業支援金」を下記のとおり開設致します。皆様の温かいご支援・ご指導を宜しくお願い申し上げます。


2.支援金の使途について 以下の事項に係る費用として使用します。
@唐臼の修理に係る事業  A唐臼を稼働するための水路の修復事業  B登り窯とその関連施設の修復事業  C原土を採取する山の修復及び保全事業  D新たな原土山の採取整備事業

◎現在の復興の状況
小鹿田共同組合のホームページ(12月22日付け)から  

採土場の木の伐採も進み、山の全容が見えてきました。年が明けたら、いよいよ本格的に土を掘れる状態に修復する工事が始まる予定です。
天候にも恵まれ、予定通り進んでいます。
被害が激しく、まだ稼働出来ずにいた唐臼の修理、堰の修復も年度内完成に向け進んでいます。
少しずつ豪雨以前の姿を取り戻しつつある小鹿田です。
日田市内から小鹿田へ通じる県道108号宝珠山日田線ですが、こちらも修復工事が進んでいます。
最も被害の激しかった、梛野地区周辺では、いまだ仮設道路の状態で、完全復旧までには数年かかるようです。
荒天時や、山の崩落現場の状況によっては通行止めになる場合もございます。
また、山深く寒い地域であるため、これからの季節、道路の凍結も考えられます。
小鹿田にお越しになる際は、十分ご注意ください。   

*なお、ご報告が遅れてしまい申し訳ありありません。(事務取扱 藤田)
posted by 東京民藝協会 at 16:45| Comment(0) | その他

2018年02月12日

九州北部豪雨から半年過ぎた日田皿山小鹿田焼のいま

 昨年の7月5日に見舞われた九州北部豪雨から半年過ぎた日田皿山の小鹿田焼の里を1月29日、30日の2日間で訪ねてきた。
 あいにく雪の降る中、他に訪れる観光客にすれ違ったのは4人ばかり。皿山の風景も静まり返り聞こえてくるのは被害から立ち直った唐臼の音と、通常の流れに戻った川の音のみ。窯のみんなは器づくりに集中している。
 皿山に向かう小野地区では、集落最大規模の崩落現場が今もそのままで、窯元の子供たちが通う小学校も、近くの中学校を間借りしている状況が続いているそうだ。

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奥が流されてきた流木の一部

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まだ土嚢での仮工事


 皿山に向かう道もいたるところで復旧工事中。なんとか車は通行でき顔を出すことが許された。ナビで案内された杷木インターからの案内路線は、宝珠山を経由するもの。被害のための通行止めもありここから一度日田市内に戻ったが、東峰村に近いこのあたりの被害は甚大で、崩壊した建物の中にはまだ手付かずのものが見られた。
 さて、雪の舞い散る皿山では、轆轤をひく者、釉薬を調合する者、高台を削る者、そして2月5日から焚かれる共同窯へ入れる最終の磨きをする者。皆黙々と目の前の仕事に向き合っていた。
 ある窯元では流された唐臼が、流木が当時の自然の力を物語るように置かれている。裏山の採土場へ向かう道も5月頃を目途に工事が終わるという。それまでは取り置いていた土を大切に使っている。

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土嚢での仮復旧

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修復された堰

 今回はたっぷり時間をとった訪問だったため、一窯一窯と時間をかけて話すことができた。その中で残念な報告をしなければならない。黒木孝子窯を支えてきた黒木力さんが引退をされた。今年88歳、米寿を区切りとするとのこと。孝子窯はご主人である隆さんが亡くなり、力さん一人が轆轤をひき紋様を描く、その他の工程を力さんの奥様と孝子さん女手二人でこなしてきた。窯焚きこそ手伝いが来るが、並大抵の仕事量ではない。今年行われる「唐臼祭り」「民陶祭」のため、今ある在庫で皿山に来た方へ恩返しをしたい。その後窯をしばらくお休みにする。とのこと。近い将来後継者ができることを期待して待ちたい。
 また、坂本正美窯の正美さん本人が事故にあい入院中とのこと。奥様と息子健一郎君への負担が心配だ。我々には早い回復を祈ることしかできない。

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1基が止まる唐臼

 そんな中、若手の元気さが小鹿田の今を引っ張っていることも印象に残る。次の世代になる現在中学生の子供たちも、すぐに隣の轆轤場へ座ることだろう。引退する者とそして、これからこのモノづくりの世界に素直な心を持って飛び込んでくる者。小鹿田の一子相伝の摂理に直面しながらも、素晴らしい器たちを作り出してほしいと願う。
h30.2.7  たくみ 野ア 潤
posted by 東京民藝協会 at 18:51| Comment(0) | その他

2018年02月08日

次回(2018年2月)の例会

○東京民藝協会2月例会
郷土玩具の世界3「郷土玩具の言い伝え」

日 時 2018年2月23日(金) 19時〜21時ころ
場 所 ておりや 神田小川町2-8扇ビル4階
講 師 中村浩訳さん(日本郷土玩具の会会長、全日本だるま研究会会長)
参加費 500円(会員以外は1000円)
定員  25人くらい(会員優先、申込先着順)
参加申込 下記のメールに2月22日(木)まで
tokyomingeikyokai@gmail.com

郷土玩具の成り立ちには伝説や逸話が多く、史実かどうかは別として、ある種の真実が隠されていることがあるといいます。
中村さんは膨大なコレクションとともに、その周辺にまで及ぶ該博な知識をお持ちで、今回もその一端をご披露いただけることでしょう。貴重な機会です、どうぞご参加下さい。

posted by 東京民藝協会 at 10:33| Comment(0) | 例会