2014年10月31日

手元の郷土玩具(6)「鳴子・高橋正吾さんのこけし」

 ここ数年、宮城県鳴子のこけし工人である高橋正吾さんのこけしに魅了されている。
 正吾さんは、昭和の名人と言われた高橋武蔵さんの五男で、80歳を超えた今も元気にこけし作りを続けている。
 実は、私自身は正吾さんにお会いしたことも、それどころか鳴子を訪ねたこともなく、こけしに対しては未だ初心者なのだが、本に載っていた正吾さんのこけしの表情に心を奪われてしまってから、こけし店やネットオークションで少しずつ、正吾さんのこけしを集めている。

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 ここに挙げた3本は、いずれも父・武蔵さんの若い頃の作品を復元したものである。生涯を通じて端正なこけしを作り続けた武蔵さんだが、昭和初期の作風は目鼻が顔の下の方にあり、右目の眼尻が下がった何とも愛らしいものであった。
 正吾さんの腕は、父の作を写しつつも確かな気品を湛えて、まるでぎくしゃくしたところがない。上目使いでちょっと照れたような表情、力強く闊達な胴模様、いつもこの3本をパソコンの横に並べているが、飽きることなく見惚れている。
広島から鳴子はあまりに遠くて、なかなか行けそうにないけれど、いつかこの可愛らしいこけしを生んだ鳴子の里を、そして正吾さんの工房を訪ねてみたいと思う。
(千葉孝嗣)

posted by 東京民藝協会 at 16:45| Comment(4) | その他
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