2017年07月03日

第71回全国大会松本大会の報告

 5月の松本は爽快だ。これを「山高く水清くして風光る」というそうで、27日㈯、28日㈰はこの街で開催される「クラフトフェアまつもと」なるお祭りを目指して全国から愛好家がわんさか訪れる。駅正面から会場の「あがたの森公園」まで延びる道は、列をなすといっていいくらいの人出である。ついでに、「ちきりや」などがある中町通り、縄手通りあたりも混雑を極める。

 ちょうどこの期間、第71回全国大会があった。よそから参加した会員が80人、地元の参加者が40人、去年の東京大会が全部で110人で、このところの参加者数はこんなものである。総会、懇親会の会場は、たぶん松本でいちばん大きなホテル「ホテル ブエナビスタ」であった。
 全国大会とはいうものの、運営に関する諸々については、前日(26日)の全国理事会ですでに決定しており、総会はその発表を聞くというか追認するというかの機関になる。であるから、大会はやらなくてはならないが、どちらかというと年に一度の交歓の場になる。  
 これについて、お祭り騒ぎで下らんという批判も当然ある。また開催協会の負担が大きくて、引き受けられる協会が限られてくる。そんな理由から、近年は全国大会を地方で開催するのは止めて、事務的に東京でやったどうかという意見も出てくるようになった。

 -------というようなこともあるのだが、松本大会は豪華、盛りだくさんの大会であった。大会そのもののほかに、「信州の手仕事展」を主催、さらに市立博物館、松本民芸館などで関連の展覧会を行った。また、大会冊子に加えて、『信州民芸』という小冊子も発行した。2冊は、柳、リーチ、池田三四郎らの事績、松本との縁を紹介するなどの内容で、企画から装丁まで立派なものである。広告もたくさん入っているからすごい。これら一連の行事、刊行物を拝見すると、長野県協会には有力者や優秀な会員がたくさんおられることがうかがえる。にしても、ここまでに漕ぎつけることは大仕事、大変な時間と手間とお金がかかっているだろう。深澤会長、滝沢理事以下会員の皆さまに深く感謝したい。
 
 さて、所定の総会議事である。実は今期が協会役員の改選年であった。また、昨年来会則の見直し、変更が検討されていた。この変更に基づいて、会長以下の人事が決定された。会長は金光章氏(岡山県協会)に代わって、曾田秀明氏(青森県協会)が就任した。専務理事は当協会の佐藤阡朗氏が留任、他の理事にも入れ替えがあった。さらに新しく委員会なるものを3つ作って、活動の活性化をはかることになった。
 協会の財政は特別協力金を加えてなお毎年250万円程度の赤字が続いている。保坂事務長のお話では、このままの状態ではあと5年くらいで資金不足になるという。長期低迷は今に始まったことではないが、いよいよ切羽詰まった感がある。新任の役員はこれから3年の間に、思い切った対策をたてて実行していかなくてはならない。困ったことに、私も役員で留任しなくてはならなくなった。30年ばかり前に一愛好家として、しかも金も目もない素人で入会しただけなのに大変なことになっている。憂鬱である。

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 議事終了後、柏木博氏「心地よい暮し」と近藤誠一氏「日本人の心と技」の2講演があった。前者は「玩物草子」という著書があるくらいのもの好きな方で、好きなものや中村好文氏の設計になる自邸の紹介があった。「様式の統一感が心地よさをもたらす」という言葉が記憶に残っている。後者は西欧的自然観と比較しての日本人の自然観の解説。
 懇親会で最初に歌手上条恒彦が登場、上条は松本周辺に多い苗字であって、やはりこの辺りの出身だという。高校生のころかの「まるも」に出入りしていて、民藝を知ったとのこと。70歳半ばにしては体格のいい人で、そこからあの声が出る。「だれかが風の中で」と「生きていくと言うことは」を聞いた。よかった。
 写真は記念品の三代澤本寿の型染め手ぬぐい、中央アルプスの図柄だという。
(藤田)


posted by 東京民藝協会 at 01:27| Comment(0) | レポート
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