2012年02月26日

2/14例会報告「森田直さんのお話会」

今回は、東京民藝協会会員でもあります、古民藝もりたの店主、森田 直さんのお話をお聞きしました。参加者は定員いっぱいの30人ほど。森田さんの人気の高さが伺えます。

開始早々、大きな風呂敷包みから取り出された、紅型の「うちくい」がテーブルいっぱいに広げられると、一同釘付けになり、一瞬のうちに引き込まれていきました。

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興奮冷めやらぬまま、「裂織の仕事着と細帯」、「唐棧織の着物」、「接ぎ合わせの子供着」といった、森田さん著の『布の記憶』(青幻舎)に掲載された貴重な品々が続々と登場。森田さんは、買い求めた当時を思い出すかのようにゆっくりと、やさしい口調で解説し、観じたポイントなどを話されました。
「絞りの刺子着」が広げられたときには、その深い藍と細かい刺し子の美しさに、参加者から「わぁ〜」というため息がもれました。
また、「アイヌの古代布の反物」では、アイヌの人と買い付け業者との信頼が生まれるまでのエピソードを聞かせてくださいました。森田さんらしい、心あたたまるお話でした。

紙縒の「汗はじき」も触れないといけません。この不思議な肌着は本当に汗をはじくのか、なぜ暑い南地方ではなく、東北で着られていたのか、といった疑問に参加者の間でも憶測を交えての議論が起こりました。想像を掻き立てられるのも古布の魅力の一つです。

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「ボロ」は古民藝もりたのヒット商品。大切に使われていたであろう、布団地をみせていただきました。このごろは天然のジャパンブルーの「ボロ」はほとんど見かけなくなったそうです。実際に触らせていただいたことも貴重な体験となりました。

最後は「茜色の腰巻」。個人的にとても印象的でした。

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森田さんいわく、腰巻は、残った良質の布でつくられることがあるため、名品が多いそうです。たくさん買い求めた森田さんには「腰巻コレクター」という、ありがたい称号をいただいたとのこと。母親の愛情たっぷりの腰巻、なんともいえない茜色に愛おしさを感じました。

今回拝見した品々はもちろん、古民藝もりたで扱われている古布は、きれいに洗濯され、アイロン掛けされたものばかりです。森田さんの布に対する愛情と誠実な姿勢から、長くお店を続けてこられた理由を垣間見れた気がしました。

森田さん、ありがとうございました。
今度は、古陶磁や木工などのお話もお聞きしたいです。

(奥村良太)

森田さんの著作『布の記憶 江戸から昭和―受け継がれる用美』(青幻舎)はこちら

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posted by 東京民藝協会 at 10:25| Comment(5) | 例会
この記事へのコメント
詳細な記録をありがとうございました。

私も村江さんがおっしゃっていたことをお伝えします。

-----アイヌの布について、糸の太さがばらばらなのに実にきちんと織れている、とても上手な織り手が織ったものだ、とのことでした。
実際に織っておられる方の観察です。

それから、紙の糸のこと、反故の場合とそうでない場合がある。また、紙の糸を使った理由は、軽いこと、脱穀のとき麦の禾が付きにくいといわれている、なんて誰かさんが言ってました。
なにが決定的な理由なのか、どなたか教えてください。

もう一つそれから、うちくいは、沖縄の人が言うと「うちゅくい」でした。風呂敷という訳語?がよくないかもしれないですね。かずきのような使われ方もしたようです。被り物の意味ということになると話が大きくなり手に負えませんが。(ふじた)
Posted by ふじた at 2012年02月27日 13:28
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